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第二十一回座談 『もーれつア太郎』より
ミーナはかわいいロボット

Y

選者 G

赤塚センセイに「デブ」と呼ばれた今は「ほそ」

涙なしでは読めない?! イタリア映画界の巨星の名作にインスパイアされた外伝!!

G 『もーれつア太郎』好きなんだよね。

K いいですね。任侠的なシブい内容に個性的なキャラクターが大勢登場して。父親が事故死したあと小学生のア太郎がデコッ八を従えて八百屋を営む、って設定がいまの時代だと難しいみたいですが。

G 児童が働いちゃダメでしょ、って? 物語なのに。で、今回は「ミーナはかわいいロボット」です。

K おおお。デコッ八のクズ男っぷりがひときわ輝く話。映画の『道』からインスパイアされた作品だといわれていますね。映画では、かわいそうな女の子の名前がジェルソミーナ。

Z 『道』ですか。(ケータイで検索しながら)1954年、フェリーニ監督作品。あ、思い出しました。大道芸の!

K 大道芸人のザンパノが白痴で純粋な女の子・ジェルソミーナを買い取って二人で旅をしながらしのいでいく話。ジェルソミーナがここではロボットのミーナになった。

G このマンガは、ファンの間では有名な作品だと思うんだけど……。

S あまりに可哀想な作品で印象的だった。いつもは人情にあつい「いいヤツ」として描かれているデコッ八が、ほんとうに非道で。

G 最後にデコッ八が後悔するのも映画と重なるね。

Y うん、後悔先に立たず、ね。いつもならア太郎がこの役回りをやりそうなんだけど。

K 確かにそう。ふだんの「もーれつア太郎」だとア太郎は直情型ですこしばかり愚か、デコッ八は一本気でそれを諌める役回りなんですね。それがなんでデコッ八が非情なオトコとして描かれたのかというと、掲載の時にカギがあるような気がしてて。

M 「ミーナはかわいいロボット」は、1969年「デラックス少年サンデー」に「ア太郎番外 花のデコッ八」のなかの一作として発表されました。「少年サンデー」の増刊号にも発表されたこの連作は、デコッ八が化粧品のセールスマンになった「セールスマンの涙」、夜警として働く「花のガードマン」、江戸時代を舞台にした「東海一のケムンパス親分」などがあってどれも読み応えがあります。

G そう、ぜんぶいい!

K 外伝として描かれているからキャラ設定がいつもと少し違っているのでしょう。

S 確かに。「ミーナ」ではわかりにくいですけどデコッ八はいつもの男気あふれる八百屋のにいちゃんとは少し違ってる。

Y それにしてもこの頃の仕事はすごいよ。増刊号でこのクオリティ。仕事量が半端ない。

G もともと週刊誌の連載を複数持ってるってだけで普通じゃない。

Y いや、ほんとに。

S ギャグマンガは毎回新作を描いているようなモンだから、アイデアだけでも大変だと思う。

Y 新作といえば、センセイの90周年企画で「ア太郎」をリメイクしたよね。

K よくぞ言ってくれました!『ミスター味っ子』『将太の寿司』の寺沢大介先生と組んで新作にチャレンジしました。ア太郎とデコッ八のコンビが青年になって八百屋を切り盛りしていく話。おなじみのニャロメ、べし、ケムンパスも出てきて、90周年という記念の年にこの企画ができてよかったと思ってまして。寺沢先生がノッて描いてくれて嬉しかったですね。

S ア太郎もデコッ八もかっこよく描かれてました!

Y キャラがいいよね。

M ちなみに「ア太郎!」は、デジタルコミックでも読めるほか単行本にもなっていますので、気になるかたはチェックしてみてください!

S さすが、宣伝も欠かさない(笑)。