のらガキが「野良」になった理由
「泣いちゃいけないおいらはすて子」
孤独な少年のらガキは、ある日、親に捨てられて泣いているヤス男に出会いました。ただ泣くばかりのヤス男を前に、のらガキはどうすることもできません。見ているうちに、のらガキの目にもいつしか涙が。自分と同じ境遇のヤス男を連れて帰って、いっしょに暮らすことにしました。
雪が降り積もるなか、かあちゃんの言いつけを守って立ち続けたのらガキ。それは、寒くて、寒くて、こころ細かった哀しい思い出です。まさかこのまま、かあちゃんが帰ってこないなんて、自分を捨てるなんて。のらガキは、想像すらできずにかあちゃんを呼び続けました。