選者 Z
これでいいのだ.netのウェブデザイナーにして良心
純粋無垢なココロがディスコミニュケーションを救う?!『天才バカボン』の怪作回!!
Z ぼくが選んだのは、天才バカボンから「たたえよ鉄カブト」!!!。
一同 おー!!
S 言い方よ(笑)。
K これはバカボンのなかでも怪作ですね。
Z そう! 選ばずにはいられない。まずは絵がきれい。カラー原稿の作品はそれだけでテンション上がります。
M 「週刊少年マガジン」1974年9月29日号に発表した作品です。発表時はモノクロでしたが、94~96年に竹書房の文庫版をつくるときに各巻の巻頭にくる作品に着彩したものです。
Z そのタイミングだったんですね。
G 吉勝太さんが塗ったの?
Y 具体的には忘れたけど塗ってたはず。(フジオプロを)辞めるか辞めないかぐらいのときだった。
S 吉勝太さんは一回家出して帰ってきた出戻りです。
Y そう(苦笑)。
S 家出から帰ってきたときのセンセイのよろこび様ったら。
Y まあ、まあ。
G 色を塗るときは細かい指示がセンセイからあるもんなの?
Y いや、ほとんど任されてた。前に塗った作品を見て参考にしながら塗るんだけど、まず原稿をコピーしてベタ(黒く塗りつぶされたところ)にホワイトを塗って線だけの原稿を作る。例えばクチのなかなんかは元の原稿はベタなんだよね。
S へー、細かい作業ですね。クチのなかをスミからアカに変えるのかー。言われてみればその通りなんだけど。竹書房の文庫はすごく丁寧につくられたシリーズですね。今見ても巻頭カラーは贅沢で。
M ほんとにそうです。竹書房の『天才バカボン』は今も入手可能です!!
Z 絵もきれいだけどお話もサイコーでして。今回のゲストは「たたえよ鉄カブト!!」しかしゃべらない男の子なんだけど、バカボンと自分の母親とだけはコミュニケーションが取れてるの。
W パパはダメなんですね。
S ココロがきれいな人だけはわかるという。
W (天才)バカボンのキャラ設定だったらパパもわかりそうな感じもしますけど、違うんですね。
G パパよりもバカボンの方が純粋無垢であると。どうして唐突に「たたえよ鉄カブト!!」なんだろう? と思うんだけど、当時の「(少年)マガジン」の編集者がミリタリーマニアだったとかいう話を聞いたことがある。
K らしいですね。
W 担当編集の影響力ってすごい。
S アイデア会議でセンセイが参加した人に自由にしゃべらせて「お、それおもしろい!!」ってアイデアを拾う場合があるんでしたよね。
Y そう。だからうっかりつまんないこと言うと「おもしろくないヤツ」となる(笑)。
S アイデア会議は緊張感あっただろうなと思いますね。慣れてる古谷(三敏)先生なんかは平気だろうけど、担当編集は胃が痛かったんじゃないかな。
K 古谷先生がバカボンになりきっていて、(赤塚)センセイがバカボンのセリフを言ったら「バカボンはそんなこと言わないよ」と返したという伝説がありますよね。話を戻しちゃうけど場面転換のカットのカラーがまたきれい。
G ここには夜のイヌがいないな。
Y あ、ほんとだ。
Z この鉄カブトくんのヘアスタイルが鉄カブトみたいなのもいいでしょ?
K 右手をあげて叫ぶところはヒトラーを思わせますね。
G もちろんそれを意識してることは間違いないんだけど、言ってることは他愛ない日常会話だからセーフ。
K そう、セーフですね(笑)。