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おそ松くんエピソード

赤塚先生お気に入り『おそ松くん』1

「チビ太の金庫破り」

チビ太は、金庫やぶりの名人として子分のハタ坊とともに悪事に手を染めてきました。が、この日、可走刑務所での刑期を終えて、これからは金庫やぶりはやめて、まじめに暮らすことを誓います。

トト子ちゃんの魚屋に就職したチビ太。その真面目な働きぶりからトト子や主人であるお父さんからも信頼を得て、後継ぎの話が出るほど。過去は封印して、新しい人生を歩もうと懸命です。

そこへ現れたのは、刑事のイヤミ。一度金庫やぶりという悪事に手を染めたものは、必ず繰り返すという持論のもと、チビ太を付け狙います。そして、チビ太の素性をバラすような素振りまで。が、チビ太は、もう昔のチビ太ではありません。

魚屋に真新しい金庫が運び込まれました。そこに居合わせたおそ松とチョロ松は、過って金庫に閉じ込められてしまいます。苦しそうなふたりの声と刑事イヤミの間で揺れ動くチビ太。葛藤の末、「助けられるのは自分しかいない!」と、金庫やぶりの禁を解いて、道具を手にします。

チビ太の金庫やぶりの腕は、今もにぶっていませんでした。金庫が開いて、閉じ込められていたふたりは無事に助け出されました。そう、イヤミ刑事の目論見通り、チビ太は金庫を開けてしまったのです。イヤミ刑事の「金庫を開けたら、逮捕」とは、ひどい言いがかりですが、前科者のチビ太は受け入れるしかないのでしょうか。

すっかり観念したチビ太は、両手を揃えてイヤミ刑事の前に進み出ます。ところが、イヤミ刑事は、「しらないザンス」と横を向いてとぼけて、チビ太の前から立ち去ります。イヤミ刑事もチビ太が人助けをしたことがわかったのでしょう。チビ太は、そんなイヤミ刑事のやさしさに触れて涙を流します。

チビ太は、トト子ちゃんには短い置き手紙をして
かつての子分・ハタ坊と新しい土地へ行くことに決めました。ふたりで心機一転、まじめに働くのです。このストーリーは、O・ヘンリーの短編『よみがえった改心』をベースにして書かれました。

◎赤塚先生のコメント◎

チビ太が、「さあ、つかまえてよ」というと、「ミーはチミなんてしらないザンス」とイヤミが知らん顔して行ってしまう場面が好きなんだ。ここを描きたかったんだよ。

この「チビ太の金庫やぶり」は、名作との呼び声が高く、「週刊少年キング」の連載中にアンコールリバイバル版としてもう一度マンガ化されました。そのときには、金庫に閉じ込められて救出されるのは、トト子ちゃんでした。