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ひなまつりに考えたこと

 フジオプロには5人のオンナがいる。
真知子を筆頭に…まぁコイツは置いといて、まずは進藤さん。この人はオレのめんどうをぜーんぶ見てくれる乳母(!)のような人。次にヨリコちゃん。こいつは階段をトントントーンと駆け上がってくるからすぐ分かる。アダ名はタマ。最近来たばかりのリエちゃんは、なかなかの美人!アダ名はミケ。それにパートのヨシコさん。こうして見ると三人官女ならぬ五人囃子だ。いつでもピーチクパーチクとおしゃべりが五月蝿いし、全員よく喰うこと。でも考えてみればそんな中で、話を聞くでもなくあいまいなあいづちを打ちながらお酒を飲んでいるのが、オレはなかなか気にいっているんだ。
 1月のある日のこと。先輩格のタマが、ミケと一緒にニコニコの笑顔でオレのトコロにやってきた。「ン?なんだ?」というと、ふたりが「ジャーン!!」と差し出したのはオレの貸し本時代の作品「湖上の閃光」じゃないか!えー、なんでキミたちが持ってるの?ねー、なんでー?。それにしても懐かしい。この「湖上の閃光」ってのは、もう40年以上も前に書いたサスペンス調の少女漫画。なぜかオレの手元には本が残っていなくて、もう忘れかけていた作品だったんだよ。まだおそ松もバカボンもこの世に存在しなかった頃のこと。…そうそう!これって石森も一緒にアイデアを考えてくれたんだよな~。絵なんかさ、尊敬していた手塚先生のタッチを必死に真似して書いてるよ。…と一気にいろいな事が思い出されたけれども、「ところで、コレどこから持ってきたの?」と改めて聞くと、驚いたことに、今はこういうものを売っているオークションってのがあるんだって。
 ある人が、この「湖上の閃光」がオークションに出品されるっていう情報を仕入れて、フジオプロに教えてくれたらしい。そこでこのふたりが「ナニがナンでも入手せよ!」という真知子の指令を受けてオークション会場に出かけていった。フジオプ ロからの軍資金は40万円!!出かけたところは中野サンプラザ「まんだらけ大オークション大会」。報告によると、会場は漫画好きが発する静かな熱気でムンムンしていたという。長テーブルにずらりと並んだ本日の出品作品の中には、かの手塚先生のレア本、入札価格1,500,000円からなんていうツワモノもあったらしいが、お目当てのオレの本「湖上の閃光」はひときわ眩しく閃光を放っていたという。ドキドキしなが ら入札を終えると、結果は入試の合格発表のように2階の会場に貼り出される…。
 こうしてこの本は、並いる競合をけちらして無事競り落とし、オレの手元に届いたって訳だ。ふたりとも任務遂行ゴクロウであった。
 ところで、誰もが気になる落札価格は、290,000円也!!我ながらビックリ仰天の値段だけれど安くても悲しいから、これが買えるシヤワセを噛み締めることにしよう !
 本日のシメは、フジオプロの五人囃子ちゃんたち今後もヨロシクなってことで… 。

会場はこのように宝の山状態。この日は10,000点近くの作品が出品されていたんだって。マニアってスゴイな。

これが落札者発表の様子。ホントに入試みたい。

紆余曲折を経てオレの手元にやってきたこの本。感慨深いものがあるな。

「ホラ、このページ見てよ。お城がロケットになって飛んでいくっていうアイデア、これいいでしょ?」ふたりを相手に話が弾む。

あいつら調子にのってこんなモンまで落札してきた。ビニールのパスケース1,000円だって。

我が家にプロレスラーがやってきた!

 オレはプロレスラーといえば力道山しか知らない。真知子は最近「K-1」とかいうのに熱くなっているけれども、ボクにはなんのことだかサッパリ分からないし、もともと格闘技にはキョーミがない。そんなオレのところに、今日はプロレスラーがやってくるという。対談だっていうけど、何を話せばいいんだろう。いったいどんなヤツなんだろう。きっとデッカイんだろうなー。きっと頭悪いんだろうなー。だってあん なに殴られたら脳みそが揺れちゃうよー!
 …とあんまり乗り気じゃあないオレのところに、知り合いの週刊プレイボーイの高橋くんが連れてきたのは、武藤敬司さんだった。
 やっぱりデッカイね!110キロ?ってことはオレの倍じゃない?見上げちゃうなー 。こうして座っていると武藤さんの方がここの主人みたいだね。あっトイレ?…は、 あの突き当たり。けっこうキンチョーしているのかな?
 なんでも武藤さんは、オレのマンガ「天才バカボン」のパパとママがなんで結婚したかってことが、ずーっと長い間気になって仕方がナイ!という、見かけによらず可愛らしい人だった。それからこういっちゃあナンだけど、予想に反してとーっても 頭のいい人。
 聞けば最近、「新日」というグループからから「全日」というグループに移ったんだって。オレにはナンのことだかよく分からないけれども、コツイらはライバルだった訳だろ?やっぱりこれは大変なことだったらしくて、世間でもずいぶん話題になったんだって。(プロレスファンのみなさん、知らなくてゴメンナサイ)
 オレも昔、「天才バカボン」がヒットしている時に「少年マガジン」から「少年サンデー」に鞍替えしたってことがあったよなー。武藤さんのケースはこれと似たようなことなのかな?プロレスの世界のことがよく分からないから違っていたらゴメン!
 でもね、人は生まれてきたからにはナンでも好きなことをすればいいの。サイノーがある人は、ある程度勝手なコトをやってもまわりのひとが許してくれる。そいで、もっとファンの人がよろこんでくれるように頑張ればいいんだよ。それで、もし間違えたらゴメン!って言えばいい。これが言えなくちゃダメだよ!
 って、これは武藤さんに言っている訳じゃあないけど…。
 それにしても武藤選手のような頭のいいプロレスラーがいるってことは、知らなかったな。オレの勉強不足でした。これからちょっとプロレスでも注目して見てみるかって気になった一日でした。武藤選手また遊びに来てください。
 …ところで週プレ高橋くん、こんな対談で記事になるの?

対談の様子はこんなカンジ。コーヒーなんぞ飲みながらツヨイ人の前では大人しくしているのだ。

武藤選手は頭がキレる人なのだ。プロレスラーにもこんな人がいるのかと認識を新たにしたのだ。

武藤選手にすっかりなついたオレなのだ。

パパの色紙をプレゼント。そういえばパパとママがなぜ結婚したかって話するの忘れたなー。まあ、謎のままにしておくとするか。

コレしか食べない過食症なのだ

 オレが近頃コリにコッているモノを紹介しよう。
 朝、昼、晩と毎日食べているもの。それは・・・・特製のお好み焼きなのだ。
 2月の末にハヤリが始まってから今日までの間、毎日必ず食べている。ウソだと思うんなら聞いてごらん。この間にウチに来た人には全員食べさせているから。その数は16人なのだ!!
 真知子がネタを仕込んでおいてくれるのを、ホットプレートで焼くだけなんだけれど、これがウマイんだよ~。真知子に取材したところによると、ネタには11種類の具と3種類の調味料が入っているんだって。いいか行くぞ~。エビ、タコ、ブタ肉、 桜エビ、ヤマイモ、モヤシ、キャベツ、ニラ、ネギ、タマゴ、お酒、シオ、ショーユそれに粉。まあ要するに、冷蔵庫のものをなんでもぶち込んだってことなのかな?
 オレは最近ジジイになったのか、目がさめるのが5時頃とたいへん早い。真知子はまだ寝ているけれど、机の上にはホットプレートがセットしてあるからなんの心配もナイ。
 紅ショウガ、アオノリ、天カス、カツオブシと油も首尾よくセッティングしてあるしな。それならばと冷蔵庫を見てみると「お好み焼きだよ」と書いた紙が貼ったパックが入っている。オレのかわいいお好み焼きちゃん、大人しく待っていたんだね。 といじらしくなって、ますます焼いてやりたくなる。
 部屋の明かりをつけて真知子を起こしてはいけないので、うす暗いなかでプレートにネタを流し込む。ジューッ・・・。ああ、愛おしい。 でも、この前は失敗しちゃったよ。
 冷蔵庫からネタを取り出してひとりで焼いていたんだけれど、焼いても焼いても全然固まらない。おかしいな~なんだいコレ!とぐちゃぐちゃかき回しているうちに、また眠たくなっちゃった。・・・しばらくして、なんだか騒がしいので目を開けると目の前が煙りでまっしろ!!マズイ!ウトウトして焦がしちゃった!真知子が急いで窓を開けて、テーブルの上を見ると大笑い。「これ焼いたの?!これは焼そばの具 だよ。こんなの焼いても固まるハズないよ!!」…なあんだ、どおりでオカシイと思 ったよ。
 始めのうちは、真知子もフジオプロのみんなもウマイウマイって言ってジャンジャン食べてくれたのに、この頃は「え~!またですか?」なんて言いやがる。まったく失礼なハナシだ。おとといなんて、オレのホットプレートのお好み焼きちゃんの隣に、ギョーザだの、ステーキだの、スパゲッティだの、焼き魚だのを乗っけやがって、あげくの果てに目玉焼きまでつくり始めた。コレにはオレも呆れたね。
 ねー!!そんなモン焼くんだったら、オレ専用のホットプレートを買ってよ!!

3月2日、順調に焼いております。紅ショウガは欠かせません。

3月3日、寝起きで焼いております。お前も食べるか?

3月11日、スタッフの迫害にも負けずに焼いております。

3月12日、もうヤケクソ焼いてるぞーい。

最期にひとつご報告。おかげでオレは2週間で5キロ太りました!コレホント!!

恐い夢のはなし

 オレの住む東京では、今日が最期のお花見日和だというけれど今年の桜は早すぎてなんとなく実感がないっていうのがホントウのところかな?みなさんの住むところではどうですか?
 今週のオレはと言えば、先週のお好み焼きメチャクチャ喰いがたたって(先週の日記をご覧ください)なにも喰う気にならずパッとしない日々を送っている。やっぱりなんでもヤリスギってのは良くないな。
 というわけで酒を飲んではウトウト眠り、ヘンな夢ばかり見ている。
 夢にはその人の秘かな願望や深層心理が隠されているというけれど、オレの良く見る夢ってのがあって、それは必ず恐い夢なんだ。
 夢のなかのオレはいたいけな少年になっていて(小学校4.5年生?)そのオレのことを恐~いおじさんが追っかけてくるっていうパターン。逃げようと思って一生懸命足を動かしてもなかなか前には進まない。そうしているうちにドーンと下に落っこちちゃう・・・そんな夢。
 目がさめてからもしばらくは恐さが抜けなくて、ぼーっとしちゃうんだよな。オレってさ、こんな仕事をしているせいかいつまでも少年の気分がぬけないんだよね。だからこんな子どもみたいな夢ばっかり見るのかな~。しかも、その恐いおじさんってのがいっつも同じヤツなんだよ。気味悪いだろ?
 あんまり何度も同じ夢を見るので真知子が夢診断の本を買ってきて調べてくれた。それによると、この夢はなにかにプレッシャーを感じている脅迫観念のあらわれなんだって。
 ・・・そういえばおととい、小学館のヤマダさんっていう編集の人がやってきて点字の絵本の第2弾を早く考えてほしいって。2年前の夏に「さわる絵本よーいどん!」という点字の絵本を出版してちょっと話題になったの覚えているか?第2弾についてももちろん考えていたけれど、元来なまけもののオレは締めきりってのがないと仕上げる気がおきない。これは昔からのクセみたいなもんだからしょうがない。
 「早く!」と言われて「まかしとけっ!」と思ったんだけれど、どっか自分でも気がつかないところでプレッシャーを感じていたのかな?
 ともあれ点字の絵本の第2弾、尻をたたかれて仕上げるから楽しみにしててくれよ!

この寝顔は、本当に追いかけられているところ…のような気がする。

どこかのホテルでベッドの間にはさまって眠っていたこのときには、まるで棺桶に入っているような気分だったなー。

おっコレは確実に真知子に怒られてるな、夢の中でも…。

最近イイコトに気がついた。カンちゃん&カンカンちゃんをお守りにすると恐い夢を見ない…ってこと。

どうやらおまじないが効いているらしい。

隠密デートのご報告

 オレがかかりつけのJ病院につれていかれる道の途中に、いつも気になるポイントがある。それは建築中からずーっと見ていた、東京ドームホテル。
 ご存知ない方にちょっとばかり説明すると、東京は水道橋の東京ドームと後楽園遊園地に挟まれるように建てられた43階建てのリッパなホテルで、周りに高い建物がナイせいもあってヤケに目立って建っている。
 病院に行く度に通りかかるので「いつかあのテッペンに行ってみたいな」と思っていたんだけれど、これから病院に行くってときにそんなこと真知子に言ったら絶対に怒られるから、なかなか行くことができなかった。
 ところが、チャンスは突然やってきた。しかも真知子から行こうかっ誘ってきたんだ。どうやらアイツもずっと行きたかったみたい。オレはモチロンふたつ返事でOKを出してどうせだったら、とオレの大事なガールフレンドちゃんを連れていくことに した。今日の今日で急きょ連絡がとれたふたりだけ。(ただし隠密デートのため彼女たちの写真はお見せできません。あしからず!)
 そうしてやって来ました43階「アーティストカフェ」。前もって予約をしておかなかったので、残念ながら窓際の席には座れなかったけれども、生バンドの演奏が真近で見られる席に案内された。しかもバンドが演奏しているのは、オレのお気に入りの50~60年代のアメリカンポップスじゃないの!「オンリーユー」「ドックオブザベイ」「煙が目にしみる」なんか。
 好きな音楽にいい女、美味しい食事と雰囲気もバッチリ!こうなると必然的におチャケがウマイ!おチャケってのはただ飲めればいいってモンじゃないの。こういうところで飲むのがサイコーなんです。
 野球には全く興味がないので、東京ドームなんてオレとは縁がナイところだと思っていたけれど、なんとなくこれからは縁が深くなりそうな気がするなー。

ホテルのエレベーターからの眺めもグーです。今度は予約して窓際の席に座るゾ!

ウェイティングでまず一杯。もちろんカン&カンカンも連れてきました。

オレの美人ガールフレンド1号と2号を連れて来たのにお見せできないのが、残念です。オレの隣でニコニコしている美女ふたりを想像してください。

ああっ、コノ曲大好きなんだよね。カンも思わず踊り出す?!

帰りがけに証拠写真をパチリ。後ろは東京ドームです。また行きたいです、真知子さん。