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2001年11月15日(木)
北海道でもうひと暴れ

 さて、阿寒湖地方は本日も快晴。オレたち一行を歓迎してくれているアカシだな。本日は真知子がチャーターした例のバスに乗り込んで、周辺の探索といきますか。(床さんと奥さんもこのバス旅行に同行してくれた!)
 まず向かったのは摩周湖。が、オレたちの摩周湖滞在時間ほんの5分で終了しました。トイレに行って写真をパチリ。こんなモンでOK。さっ!次行きますか。
 次は屈斜路湖。ここにはアイヌの友人であるアト゜イさんのアイヌの民俗音楽を独自にアレンジしたオリジナル舞踏+音楽団である「モシリ」の本拠地「丸木舟」がある。
 「おー、元気だったか?」あいさつもそこそこに部屋に通されると、そこには手作りのすもも酒に始まり、イモチョケップ、パリモモのお造り、にじ鱒、ピリカ鍋、あめ鱒のオハウ、ポッチェシト、コタン丼、ホワイトラーメン…と豪華な、ほかでは決して食べられないこころのこもった料理が並んでいた。はじめて目にする料理にウチのスタッフは大喜びだ。
 真知子がコタン丼がたまらない、この行者ニンニクがいいのよ。と言う。ミズグチ先生があたしこれ気に入ったわ、とピリカ鍋をおかわりする。タマがさっきまで活きていたというパリモモのお刺身を頬張り、ミケがホワイトラーメンを黙ってすする…。
 オレたちの給仕をしてくれたのは、このアト゜イさんの娘さんたち。うーん、しばらく見ないうちに随分色っぽくなったなぁ。と思っていると、ひとり消え、ふたり消え、にぎやかに給仕してくれていた女の子たちがいなくなってしまった。なんかへんだな~と思っていたところに、アト゜イさんからお呼びがかかった。1階のシアターで特別公演をしてくれるという。なんて贅沢なことだろう。アト゜イさんは独学で作曲もギターもパーカッションもこなす「モシリ」のリーダーだ。(こういうのを才能っていうんだろうな)さっきまで給仕をしてくれたアト゜イさんの娘さんたちが、踊り手としてモシリのメンバーを構成している。ああそうか、このメイクのために席をはずしたんだな、とやっと納得した。
 そしてショーの最後にはウチのスタッフも踊りの輪に加えてもらって大満足だ。
 やっぱり友だちっていいな。なんていうあたりまえのことを考えちゃったな~。
 ここで、だいぶん予定時間をオーバーしてしまったので、次の予定をキャンセルしてホテルに帰ることになった。あとは温泉につかって、カニを食べるだけ。あ~極楽、極楽。

霧で有名な摩周湖で記念撮影。風が強かったので霧が晴れて摩周湖がハッキリ見えた。初めて訪れた時に摩周湖が見えると男は出世が遅れて、女は晩婚になるんだって。どっちにしてもオレには関係ない話。

ガンファイターズ(床さんとオレ)が行く。強風にあおられて、それでなくても痩せた体が風にとばされそうになった。「はい、お互いに支え会って歩きましょう!」と真知子。さてはコイツ、オレたちがあんまり仲がいいのでヤイてるな?

おう、食べるのはカムイノミ(神への祈り)をやってからだぞ。アイヌの儀式カムイノミを全員で行う。なんとなく厳粛な雰囲気の中で、この昼食が始まった。 (左から「モシリ」のアト゜イさん、床さん、オレ)

会計士のイイダ先生と弁護士のナカクボ先生も見よう見まねでカムイノミに参加。(奥がナカクボ先生、手前がイイダ先生。なぜかふたりはニャロメのセーターが偶然おそろい!!)ナカクボ先生は多忙にもかかわらず、オレと一晩中飲み明かす予定でこの旅行に駆けつけたという大のお酒好き。夜がちょっとコワイな~。

夕食は宴会。ウチのミケちゃんが「フジオプロ流新人研修」をうけているところ。もちろん指導するのは社長の真知子。「ホラ、笑顔でね!」
…こうして阿寒湖ナイトはふけていくのでした。

おまけ
床さんにきいたアイヌのマリモ伝説
 むかしクシロコクにトウロという湖がありました。そこにはたくさんのべカンベ(菱の実)たちが住んでいました。やがてべカンベたちは大勢にふえてきました。そこへ仲間のひとりがアカンコという素晴らしい湖があることをウワサで聞いてきました。
 「そんなにいいところなら、みんなでアカンコに移り住んでみたいものだ」ということになり、ベカンベたちは天の声に聞いてみることにしました。すると、天の声の答えは無情なものでした。「ダメだ!お前たちがアカンコに住むとアカンコが汚れるし、この静かで美しい湖に人が集まってきてしまうから。」
 ベカンベたちは非常に残念だと思いました。あんなに美しい湖があるのに、こんなにボクたちはたくさんに増えたのに住むことができないなんて…。
 あきらめきれないベカンベたちは、アカンコに乗り込んでいくことにしました。するとそれを見ていた神様は「言うことをきかないベカンベめ!」と軍隊を送り込みました。戦争です。
 ベカンベたちも弓矢で応戦します。ですが、やはり神様の軍隊は大変強く、とうとうベカンベたちの射るための矢は底をついてしまいました。そこでベカンベたちは仕方なく湖の藻をちぎっては投げ、ちぎっては投げました。
 それが、ポトンポトンと落ちてアカンコのマリモになりました。