TOP > 赤塚不二夫 > 日記 2000~2002
お年玉はケータイなのだ!

 と、目出たく年が明けました。オレも人並みに仕事をお休みして、のんびりしたお正月を過ごしております。
 すると突然、真知子がオレにお年玉をくれるという。お年玉なんてあげることはあっても、もらったことがナイから心底ビックリしたんだけれど、それも携帯電話とは!!
 オレはあのケータイっていうのだけは欲しいとは思わなかったのに、シルバー用(!)のラクラクホンってのが出たので、真知子が面白がって買ってくれたんだ。オレは「いらない」って言ってるのに…。アイツったらオレにお年玉だなんて言っているけど、自分も最近老眼になってきたモンだから自分で使ってみたかったんじゃないかとオレはふんでいるんだけどね。
 いや正直に言うと、ちょこっとだけ「ケータイっての持ってみたいな、なんか「仕事」しているみたいでかっこいいな」って思ったことはあったんだけれど、なんだかめんどくさそうだったから「オレにはムリ!」と知らん顔していたんだ。
 だって見ているとウチに打ち合わせに来る編集者や広告関係のヤツらなんか、一時たりとも手元から離さないし、真知子にいたってはパチパチボタンを押して「メール」っていうのまで送っているっていうじゃないか。言いたいことがあるんだったら口で言えよ!それにそのメールっていうのをやるために「パイオちゃん」とかいうパソコンっていうの買ったんじゃないの?まったく訳がわかんないよ!
 と、すっかり老人のグチのようになってしまったけれど、こんなオレがきょうからケータイを持つんだよ。
 「いったい誰に電話すればいいの?」と聞くと「だれでもいいじゃない?チャイナだって、ジュンコちゃんだって…」とアイツったら、オレの大事なガールフレンドの名前を挙げたけど、ふたりってことはないだろ?
 3人までワンタッチで電話をかけられられるというのでチャイナとジュンコをさっそく登録(してもらった)。残ったひとつには真知子が自分の番号を入れていた。(ガーン!)
 でも、ホントはなんだかみんなと一緒になれたみたいで、ちょっとばかり嬉しいもんだな。せめてあと10年前のバリバリ元気の頃だったら、いろんな女どもに携帯番号教えたのになー、とちょっとばかり残念だけれど。
そして、自宅の居間から携帯電話をかけるっていう訳のわからないコトを新年からいたしているオレでありました。

フジオ流ケータイの正しい使い方

  まず、ケータイは大切なお客さまなのでていねいにお迎えしましょう。授賞式の要領であくまでもうやうやしく。(カン&カンカンも参加しているぞ)ちなみに渡してくれたのは、ドコモのシライワさんです。ゴクローサン。

次は、おいでになったケータイさまにごあいさついたしましょう。
「ケータイさんこんにちは。ボクが赤塚です。」第一印象は大切です。ここでケータイさんのご機嫌をそこねるようなことがあってはいけません。

いよいよケータイさまとの勝負です。「ここがコウだろ?え?ここ押すとどうなっちゃうの?かからないな~」笑わないでください。初心者のボクは悪戦苦闘。

そして、翌日。やっとケータイさんにボクの気持ちが通じたようです。
「おっ!かかったぞ!もしもーし…オレだけどいまから一緒に飲まないか?いい?…ところでキミ誰?」

こうしてオレのケータイにも、着々とガールフレンドの名前が増えているのでした。

お正月のご報告なのだ

兄 「カンです。」
弟 「カンカンです。」
兄 「ボクたちは、赤塚家に住んでいる犬 の兄弟です。このホームページではお馴染みだよね。きょうから仕事始めだっていう のにウチのフジオちゃんときたら全然お正月気分が抜けないらしい。フジオちゃんが サボっているので、きょうはボクたちふたりでフジオちゃん流お正月の過ごし方をご 報告しまーす。」
兄 「12月31日。世間ではおおみそかなんだけれど、ココ赤塚家にはいつもと変わ らず夕方すぎるとぽつりぽつりと人が集まってきた。そしてごく自然の流れで宴会に 突入!見なれた仲間ばかりだから緊張しなくて大丈夫だったよね、弟よ。」
弟 「ウン !だけど、真知子さんの機嫌がなんとなく悪かったような…」
兄 「そう!知り合いか ら届いた魚を孤軍奮闘でさばいて鍋の用意をしていたけれども理由はこういうことだ ったんだって。『食べるのはキライじゃないけど、ナンデこんなでっかい目玉がつい るの?気持ち悪~い…』だって。」
弟 「そうだったの~。まったく真知子さんったら 小さな女の子みたいだね。カンお兄ちゃん。」
兄 「そして、ココの人たちったらまだおおみそかだっていうのに、某百貨店から 取り寄せたおせちを開けて食べちゃったんだ。」 弟 「もちろんボクたちも食べたけど ね。」
兄 「うん!…いつものようにお酒を飲んで、いつものように酔っぱらって、いつ ものようにふとんに入って、フジオちゃんが目をさましたらと「お正月」になってい たんだ。」
弟 「この日に阿寒湖からお客さんが来たんだよね。」
兄 「そう!ボクたち も知っているアイヌの彫刻家床ヌブリさんが奥さんといっしょに遊びに来たんだ。『 よく来たな~』とあいさつもそこそこにまた酒。フジオちゃんったら大丈夫かな~。 」
弟 「床さんとふたりで飲みながらいろんな話しをしていたけれど、ボクが聞いたと ころではほとんどがクーダラナイ話しだったような気がするんだけど、お兄ちゃん。 」
兄 「うん、仲良しっていうのはそういうモンなんだよ。」
弟 「フーン…勉強になる な~。」
兄 「それから、ふたりも一緒に熱海の家へ行ったんだ。そう、もちろんボク たちもいっしょにね。とーっても道が混んでいけれど、なんとか無事に熱海に着いて 温泉にゆったりつかったら、またお酒。」
弟 「まったくも~。」
兄 「そして、次の日は恒例の初島へ。そしたらもの凄い風が吹いていて、港から すぐの食堂ヤマサまでいくのに風に吹き飛ばされそうになったんだよね。」
弟 「そう …だけどヤマサの若ダンナが車で迎えに来てくれて、無事『初イセエビ』にありつく ことができたんだ。甘くて美味しかった!」
兄・弟 「そしてフジオちゃんはここでも お酒!!」
弟 「フジオちゃんがお正月が好きな理由がなんとなくわかってきたな~。 」
兄 「そうそう、来週はフジオちゃんから重大な告白があるらしいよ。」
弟 「あっ! あのことだね。ヒントは今週の写真に隠されています。だよね、お兄ちゃん!」
兄・ 弟 「じゃあ、来週をお楽しみに!!」

カン&カンカンのお正月レポートはどうだったかな?ヤツらが言っていたおせち料理はコレです。イタリアン2万8000円、中華3万8000円なり!

「ウグググ…!」モチならぬおせちに入っていたイカがのどにつっかかった(ような気がした)ヤマグチくんが掃除機で吸ってくれたおかげで取れた(ような気がした)
…ただ遊びたかっただけでしょ!と真知子。はい、その通りです。

床さんがカムイノミ(アイヌの儀式)をやってくれた。オレも真面目にやってます。

初島行きのおなじみイルドバカンス号で。整体のミズグチ先生、今年もヨロシク!

はい!みごとなイセエビですね。今年もカン&カンカンといっしょに美味しいものを食べるぞ~。

年末の事件を告白します(しぶしぶ)

 不幸は突然やってきた。
 オレはその日もいつものように、おとなしくベッドでスヤスヤ~っとお休みにな っていたんだ。時刻はそう丑三つ時あたりだったかな。すると突然、ほんとに突然に 顔に強い衝撃が…!
 ううっ、イテ~!やられた!ゾクに殴られたのか?!っと思って部屋を見回して も怪しい人影は見えない。聞こえる物音といえば隣で寝ている真知子の規則的な寝息 だけ。「スースースー…。」オレは、しばらくの間何がおこったのか理解できずにぼ んやり座り込んでいたんだ。
 えっと…ココはどこ?オレは誰?
 それでも、しばらくするとだいぶ落ち着いてきたので、ズキズキと痛む右目の上 にそお~っと触ってみた。するとそこには血が!いったいどうしたっていうんだ。気 持ちよく寝ていただけなのに。そうしているうちにもどんどん血が流れてくる。そう いえば、夕べもちょこっとおチャケを飲んだから、出血がひどいのかもしれない。あ ~、オレもこのまま死ぬのかな?とチラリンと思ったけれど、そんなはずないよね。
 だってベッドから転がり落ちただけなんだもん。
 「真知子~、真知子さ~ん」と小さい声で呼んでみる。
 オレってさ、こういう時、気が小さいっていうか優しいっていうか、ぐっすり寝 ているコイツを起こしちゃかわいそうだな、なんて思っちゃうんだよな~。でもどん どん血が出ちゃうからこのままにしていたら、後で怒られるなっと判断したオレは、 意を決して真知子さんを起こすことにした。…それにしてもコイツったら、オレがベ ッドから落っこちたらドスンなんて大きな音がしたはずなのに、よく寝ているな~。
 「真知子さ~ん、血が止まらないよ~」
 「…ん?…ぎゃ~!どうしたの!?」
 それからの真知子さんったらね、まるでスーパーマンのように素早かった。タク シーを呼んでいつものJ病院へ。そこでおっとりとした(?)緊急入院となった。たい したことないけど一応大事をとってのこと。そして翌朝、結果右目の上を8ハリ縫いま した。そして念には念を入れて脳の検査やらなんやらやらされたけれど、トーゼン異 常ナシ!
 こうして、またまたオレの輝かしい戦歴に、もうひとつこの事件が付け加えられ たのでした。そしてさらに翌日、真知子さんはベッドの柵をもうひとつ注文していま したとさ。おしまい!

時間を追って顔の移り変わりをお見せしましょう。これがベッドから落ちた翌日の様子。カン&カンカンも心配してお見舞いに来てくれました。この時は、もうすでに痛くなかったんっだけれど、真知子に怒られるのが恐くて寝たフリしてました。

同日夜。さっきよりも膨らんできて、ほとんど右目はつぶれてしまいました。真知子が「お岩さんみたい。」といって喜んでいるので、コワイ顔をしてみました。

ぶつけてから2日目。ハレはだいぶん引いたけれど、目の周りがまるで殴られたみたいに真っ黒になりました。「お岩さん」から「パンダちゃん」に昇格しました。

一週間たって抜糸です。一応神妙な顔をしてますが、全然いたくないから大丈夫です。おチャケの飲み過ぎでマヒしてんだよ!と真知子に言われました。ホラ、おチャケを飲んでいいこともあるじゃない。とへこたれないオレです。

抜糸が終わってこの通り。いつもの笑顔のフジオちゃんです。

オレのちょっと恥ずかしいお話

 すこしばかり前の出来事、若い友人の弓ちゃん(残念ながら男です)とホテルのち ょっとばかり気取ったバーで飲んでいたときのこと。
 さんざん飲んだオレたち、イイ気持ちでいると弓ちゃんが名刺のようなものをボ ーイに渡してなにやらコチョコチョとナイショ話。しばらくするとボーイが戻って来 て弓ちゃんに再び耳打ち、そしてなんかサラサラーと書いた後「じゃー帰りましょう か」とサッと席を立った。
 レジまで進んだオレが「会計して」というと「お連れ様がお済ませです」だと「 えー!いつ?」と聞くと「さっきカードで」と涼しい顔の弓ちゃん。「え?カードっ て?」とオレ。すると弓ちゃん今度はキツネにつままれたような顔で、カードという 物をオレに見せてくれた。「これってオレでも持てるの?」と聞くと、「もちろん! 」だって。ならばと真知子さんにねだったね。こんないいものないもの。これがあれ ば何だって買えるんだって、まったく魔法だね。
 「ねー真知子さん、オレもカードっていうの持ちたい」「え?どこで覚えてきた の?ボクちゃんには必要ないの。」「ねー買って!」「バカ!買うもんじゃないの」 という押し問答の末、多数決で決めようってことになった。
 「先生にクレジットカード持たせてもいいと思う人手上げて~」ウチに来ていた 数人の友人たちの右手はピクリとも動かなかった…。コノ裏切りモノどもめ。せっか くカードでおごってやろうと思ったのに。真知子はオレの名前でクレジットカードを 作っているらしいけれど、オレには渡してくれない。チェッ!
 そしてまた別の日。デパートでイイ映画のビデオを見つけてまとめて7、8本を買 おうとした時のこと。真知子がなんか紙キレみたいなものをレジに渡したら、店員が ビデオをくれた上に「お釣りです」とお金もくれて、「ありがとうございます」まで 言っていた。
 目が点になったオレは、いっしょにいたガールフレンドのカオルちゃんに聞いた ね。「ねーカオルちゃん、なんで紙キレでビデオとお金もらえるの?真知子が持って いたのはなに?」するとカオルちゃんはクールに「商品券です。お金と一緒!」とキ ッパリ!
 へー!こりゃ勉強になるな~。初めて見たよ。オレも使ってみたいな~。
 …読者のみなさん、オレってもしかして世間知らず???

「ねー真知子ちゃ~ん。ボクもカード欲しいよ~。」こうした涙ぐましいボクのイタイケ作戦も失敗に終わりました。フン!頑張ったのにさ。