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最近のボクのハマリもの。

 みなさんは、ボク=天才漫画家の日常はいったいどんなもんだとお思いですか?
 酒ばっかり飲んでいる?オカしい人ばっかりが訪ねて来る?毎日のように宴会をしている?たまに検査&酒ヌキのために入院をしている?…と思ってはいませんか?ハイ!その通りです。…とはいえ新作マンガのアイデアも考えるし、単行本の打ち合わせもするし、広告のための下絵も描くし、その合間にTVや雑誌の取材も受けたり、とこう見えてもケッコー多忙なのであります。
 そんなオレの最近のお気に入りを2つばかりご紹介しましょう。
 その1.カンちゃん。といってもみなさんにはわからないな。これは缶詰めになって売られていたイヌのぬいぐるみなのだ。ガールフレンドのチャイナから誕生日プレゼントにもらったのだ。もらった時は、なんでこのひと缶詰めなんかくれるんだろう?って思ったんだけど、中を開けたらビックリ!いたいけなイヌが出てきたではないか!なんでー!思わず叫んでいたね。こんなところに閉じ込めるなんてシドイ!聞けばイヌばかりではなく、カメ、アヒル、ヒツジ、キツネ、トラやゴリラまで閉じ込められているっていうじゃないか!なんと24種類も。なんてこった!このオレが全部救ってやるゾ、と思ったけれども真知子に止められてあきらめた。
 でも、缶から生まれたからカンちゃんって名前を付けて、コイツとの出会いを大切にすることにしたんだ。毎日ダッコしてチューして可愛がってあげよっと、チャイナだと思ってな。アレ?
 その2.ゴーフル。前から大好きだったけど、最近またハマってる。この大きさも歯触りも大好き。サクサクサクサク…これがあればごはんなんかいらない。またウイスキーと合うんだな。「ねー、真知子なくなったらまた買ってね」っとお願いすると「いくらでも買ってやるよ!」だって。なんか真知子の方がオトコみたい。でも、ウレチー!!

ダッコしていっしょにネンネ。とろけるような笑顔です。

ゴーフルは割らずに丸いマンマ食べる、コレが基本です。

カンちゃんに弟ができた!事務所のタマちゃんが買ってきてくれたのだ!さっそく缶から救出したのだ。

天才も筆のあやまり

  「おそ松くん」って知ってるか?改めて若い読者のためにご説明いたしますと、昭和37年に「週刊少年サンデー」で連載をスタートし、「シェーッ!」という大流行語を誕生させたギャグ漫画最大のケッ作なのだ。(もしもあの頃「流行語大賞」があったら、この「シェーッ!」は、大賞マチガイなし。「おっはー」なんかに負けないゾ。)…いきなりマジメに解説してみたけれど、このたび昭和41年に毎日放送で制作されたTVアニメ版「おそ松くん」がDVDになるんだって。
 そのため今日は、DVDにオレのインタビューを収録するためにカメラがやってきた。おう!インタビューならまかしとけってことで、この日も絶好調でインタビューに答えたね。オレ、こう見えても取材は慣れてるからさ。そして、トントンとインタビューが進んで、最後にスタッフからリクエストがあった。「先生、最後に『おそ松くんがDVDになるのでよろしく』って言っていただけますか?」「はいよ!」とオレ。「おそ松くんブイデーブイをよろしくお願いします!」カメラ目線もバッチリ決まった!…と思ったのに、スタッフは全員で笑いころげている。「なんでー!?」「先生ディブイディーですよ。」「だって、デーナントカなんてオレ知らないモン…。なんなんだよ。…んじゃもう一回…おそ松くんのデービーデーをよろしく!!」え?まだ違うの?もういいの!これで。
 こうして、インタビューは無事(?)終了したが、今度は「先生、おそ松くんの登場人物を色紙に描いていただけませんか?これも収録したいので」とおっしゃる。「色紙ね、OK!サラサラっとイッパツで描くからね。」とマジックを走らせていると、何故か全員がオレの手元に注目したまま、重~い空気。するとスタッフの一人が意を決したように、「先生、これは…バカボンのパパじゃありませんか?」「は?」いや、ここからが天才の腕の見せ所なんです。結果は写真でご確認ください。
こうして今日も、オレの仕事はつつがなく終了したのであった。チャンチャン!

マイクセッティング中。ヤル気マンマンのオレ。

「それはねっ、キャラクターに対する愛情ですよ!」インタビューに答えるオレ。

「ええと、パパのハチマキにイヤミをくっつけて…っと」カクサクするオレ。

天才の作品。失敗をものともせずに仕上げるプロ根性。これでいいのだ!

おまけ。
フジオプロ所蔵のお宝「ソノシートまんが」3枚を特別にお見せしましょう。昭和40年にナント280円で販売していた、今となっては超レアな逸品です。

 真知子と一緒にポケーっとテレビを見ていたら、マッタケの特集をやっていた。
 マッタケはウマイ!けれども高い!特に国産の中でも丹波のマッタケは最高級の貴重品で1本3万円もザラだそうだ。…ン?丹波ならオレもマッタケ狩りに行ったことがあるゾ!もう10年以上も前のコトだけどな。ゼンジー北京さんの知り合いにマッタケ山を持っている人がいて、真知子とふたりでつれていってもらったんだ。懐かしいのだ。(もう一回は啓助師匠に連れていってもらった)
 それが、とんでもない山道を登っていかなくちゃなんなくって、それに加えてマッタケって見つけるのもホントに大変。これじゃ高いワケだよね~っと話していたのを思い出した。そしてこの時、オレはあまりにも疲れて山道でマツタケをにぎりしめたまま熟睡してしまったホドなんだ。でもその後食べた、マッタケを大量に入れた“贅沢スキヤキ”の旨かったコトといったら!思い出したら涙とヨダレが出てきた(ウソだけど)。
 「ねぇ真知子、どうしてマッタケ、誰も送ってくれなくなっちゃったの?誕生日に森下先生が送ってくれただけじゃない!!」「だって、××さんはマツタケの仕事やめてラーメン屋になっちゃったでしょ?○○さんは死んじゃったし、○×さんは落ちぶれちゃったんだもん、しょうがないじゃない。」だって。あーあ、オレもう哀しくなってきちゃったよ。どんなに具合が悪くても、どんなに食欲が無くても、マッタケだけは食べられるんだよ~。それなのにさ…。
 っと、グチグチ考えていたら真知子がマッタケを買ってきてくれた。え?カナダ産?それでもマッタケはマッタケ。簡単にニコニコしちゃうオレなんです。(なかなかうまかった)
 そして最後に、今日の日記の意味、分かっているだろうな?オイ!そこでコレを読んで笑ってるオマエ、そうオマエだよ。スグにデパートに行きなさい。そして丹波産を選ぶの!送り先はココだからねっ!東京都新宿区中落合 フジオプロ。

「おーい、真知子落ちるなよ~」斜面でも見つけたマッタケは決して離さないしっかり者の真知子さん。

「ほら、こんなところに!!」苦労が大きいので見つけた時のヨロコビも大きいのだ。

マッタケと牛肉しか入れないスキヤキを山でいただく。コレ最高!そしてオレの隣にはナゼかバカボンのパパが!あんまり似ているので、オレがメイクしてあげた。(ゼンジーさんのお友だちです)

カナダ産は1,500円ナリ!しかし、カナダ人もマッタケなんて喰うのかねぇ。

カナダ産とはいえ、マッタケを手にしてとニッコリとするオレ。…が、笑顔に一抹の淋しさが。

お疲れさまなのだ

 ボクの賢い読者の皆様ならば、もうとっくに読んでいるはずだけれど、9月の終わりにボクの新しい本が出版されたんだ。その名も「アカツカNO.1」!
 本屋でもひときわ異彩を放つ、篠山紀信氏撮影の若くハンサムなオレのポートレイトが表紙になっている、そうそう!その本だ。

アカツカNO.1

 きょうは、この「アカツカNO.1」の企画者であり、編集者であり、デザイナーでもあるほうとう氏と、遅蒔きながらささやかな打ち上げを催したんだ。
 というのも、この本はほうとうさんが孤軍奮闘して作った本で、形にするまではかなり大変だったらしい。オレは、この本の企画を聞いた時、スグ「イケル!」って思ってゴーサインを出したんだけれど、その後は「好きなようにしていいよ」って言って、ほうとうさんに任せてあったんだ。だから本が出来上がるまで、オレもどんな内容になるのか全然知らなかった。
 だから初めて読んだ時には、オレも一読者として笑っちゃったよ。オレってホントにオカシイヤツなんだなってな。
 オレはいつもなにかモノを作るときには、作るヤツと会って話を聞いたら、ソイツに(単行本なら編集者、テレビアニメなら脚本家と監督)全部任せることにしているんだ。「任せたぞ!」といってイイモノを作れないようなヤツとは最初っからシゴトをしない。いままで作ったたくさんのTVアニメも単行本も全部そういうやり方で作ってきた。
 しっかし、このほうとうって男は、オタクっていうかマニアっていうか、オレの知らないオレの私生活のコトや作品のコトなんかを(忘れてるだけ)詳しく知っているから、少しばかりき~もち悪いんだよ。それから写真では分かんないけど、立ちあがると無闇にデッカイし…正直にいうとなんだか少しばかりコワイんだ。
 でも、幼稚園の時から赤塚マンガにかぶれていたっていうスジガネ入りの赤塚ファンらしいからね、ほうとうさん、これからもヨロシクなっ!また、イイ仕事しよう!

ふたりとも眠っている…ワケではありませんし、催眠術でもありません、ほんのグーゼンです。