TOP > 赤塚不二夫 > 日記 2000~2002

 集中治療室を出て、一般病棟へ帰ってきたのだ。ボクのかわいい看護婦ちゃんたち、ただいまなのだー。ボクちゃん頑張ったのだ。イイコイイコして欲しいのだ。ただし、まだちょっと頭が痛いのだ。

 今日、初めて鏡の角度を調節してもらって、頭のキズを見たのだ。自分ながらもビックリしたのだ。これは、ブラックジャックなのだ。右手のリハビリの為に、サインの練習を毎日しているのだけども、ついでにボクの自画像もちょこっと描いてみた。上手に描けただろ。

 リハビリの先生とトレーニング中なのだ。まず、始めに足をほぐしているところなのだ。またおチャケが飲めるようになるまで、ガンバルのだ。

 笑わないでくれ、目標はあくまでも「お酒」なのだ。

 それにしても、ボクは腹が減ったのだ。酒を飲んでいないし、やることもないので、とにかくものすごく腹が減るのだ。ってことで僕の奥さん真知子さんにたのんで、大好物のフルーツを持ってきてもらったのだ。スイカ、マンゴスチン、ももなど。病院のごはんもこの調子。

 ちょっと使いづらいけれどもお箸も自分で持てるし、このカンジでいくと太って退院だな。

 今日ボクの記事が、スポーツ新聞に載った。「自宅で転倒し言語障害、右手まひ開頭手術」だって。そのとおりなのだ、けれども他人事のようで、なんだかオモシロイのだ。

 お見舞いのメールをいっぱいありがとう!ボクは、この通り元気だから心配はいらないのだ。

 な・なんと今日は、とっても嬉しいお客さんが訪ねてきてくれたのだ。女優の南田洋子さん。ボクがこんな美人女優さんと知り合いだなんてちょっと意外だろ。だからみんなにジマンをしたいのだ。怪我をしたのは大変だったけれども、こんなイイコトもあるなんて、ボクは怪我をしてよかったのだー。(と言ったら真知子に睨まれた。)
 あー、これで今日はいちにちいい気分。

 となりにいるのはボクのひとり娘、りえ子。英国留学中だけれども、たまたま夏休みで東京にいた。

(南田さんと長門さんのHPはこちら。 http://www3.ocn.ne.jp/~nin-pro/ )

 今日は、ボクの65回目の誕生日なのだー。

 病室で誕生日パーティ。毎年センチュリーハイアットからキャラクターを描いたケーキが届くのだ。今年はウナギイヌが飛んでいるケーキが病院に届いた。いつもながらありがたいのだ。さらに友人が何人かお祝いに来てくれて、嬉しかったのだ。やっぱり持つべきモノは友なのだ。

 それから、ボクに誕生日のメッセージをくれたみなさん、どうもありがとう!とっても嬉しかったぞ。

 今日から長野県の小布施でボクの個展が始まったのだ。張り切って行く予定だったのだけれども、こんな具合で欠席させてもらったのだ。真知子が代役でテープカット。小布施のみなさん、行けなくてごめんなさいなのだ。元気になったら必ず行くので、カンベンしてください。

 お盆休みのある日、突然イヤミが現れたのだ!

 「シェーッ!」のポーズもイヤミメイクも決まりすぎているくらい決まっている。これはプロの仕業らしいぞ。それにしてもウマイ!

(それもそのハズ、イヤミの正体は元フジオプロの作画チーフ、あだち勉先生でした!)

 リハビリ生活が続いているのだ。早く、スタスタ歩けるようになりたくて頑張っているのだ。それに美しい看護婦ちゃんが一緒に歩いてくれるのは、ナカナカ楽しいぞ。

 真知子がリハビリの様子を撮ると言って、デジカムを買った。真知子の撮影のウデが上がるか、ボクがスタスタ歩けるようになるか、今のところ競争なのだ。(近々ムービーをお見せできるカモ?)

 なんといっても、ボクがこんなに頑張っているのには行きたいトコロがあるから。今の目標は、この病院の中にあるレストランに行くコト。そこには、病院のレストランなのになぜかワインも水割りもあるのだ。そこへ行って、春巻ちゃんと水割りを…ウクククク。これが、今のボクのファイトのモトなのだ。

 ずっと左側のほっぺたがチクチクして、引きつったみたいに痛いのだ。あんまり痛いので、これはおかしいってことで、ノーゲ(脳外科)の先生に「後遺症でしょうか?」って真知子が聞いてくれたんだけれども、どうしてだか分からなかった。

 その原因がようやく分かったのだ。それは「親知らず」。奥歯のそのまた奥にある「親知らず」が化膿していたんだって。

 いつもボクは、近所の歯医者に予約をしては飲み過ぎてキャンセルばっかりしていたのですよ。時々歯が痛かったんだけれども、酒でごまかしていたんですねー。こんな形で仕返しされるとは!そして来週、その「親知らず」を抜くことになった。これでやっと、うっとおしいチクチクともおさらばなのだ。

 ノーゲの先生、疑ってごめんなさい。不精なボクにバチが当たったのだ。

 世間はゴリン、オリンピック真っ盛りなのだ。

  今日は、サッカー日本代表が予選を突破してアメリカチームと戦うらしい。ボクはサッカーなんて全然分からないんだけれども、真知子が夕方からソワソワして見ろ見ろと言うので、ごはんを食べながらこうして付き合っているのだ。

 それにしてもサッカーってヤツはカッタルイ。だってなかなか点が入らないんだもん。

  シュートもドカーンなんて、はるか上の方に蹴ったりしてヤツラはこれで大丈夫なのかな。

 時々看護婦ちゃんが、ボクの様子を見に来るんだけれども、ついでにサッカーもほんの数分観戦していくのだ。「また来ますね」「どうなりましたか」なんてね。ボクも見始めると面白くて、思わず最後まで見てしまった。

 ニッポン残念。だけど良く頑張ったな。あー、興奮して疲れてしまった。今日は早寝。

 とうとう「親知らず」を抜いたのだ。今朝はさすがのフジオちゃんも、少々ナーバスになっていたんだな。こう見えても気が小さいのだ。頭の手術はヘーキだけれども歯を抜くのはちょっとばかりコワイのだ。けれども、口腔外科の担当のシノハラ先生に会ったらもうアンシン。ボクは、この先生に一目あった時に「ヨシ、この先生だったら、抜いてもOK。これでいいのだ!」と即決したのだ。理由は言わなくてもわかっているのだ。それは…ビジン先生だから。(ここでお見せできないのが残念なのだ)おかげでボクはスッキリ。快適快適なのだ。

 大阪のお友だちがマツタケを送ってくれた。ぼくが病院に入っているうちに、♪今はもう秋…になったんだなー、なんて考えてしまった。ボクはマツタケにはあんまり興味はないけれど、一応食べておきました。秋の味覚ですからね。(…自分で買っては食べないけどな)もちろん看護婦ちゃんたちにも、おすそわけしたのだ。
 そう言えば今日、真知子が「ボクちゃん、お肌キレイねー」だって。決まってるよー。ボクの若い頃の写真を見てくれよ、この色白の美男子を。今もこのようにボクの肌はスペスペ。それはね、ココに来てから特にくだものを沢山食べているからじゃないかと思っているんだ。メロン、巨峰、イチゴ、マンゴーなんかをホントに沢山。みんなもボクの様にウツクシクなりたかったら、くだものを食べるべし。これホント!