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2002年 2月 20日(水)
こんなことやらされたっ!

 先週の飲み過ぎ入院から無事生還すると、さっそく仕事を入れられていた!退院 してやっとゆっくり飲めると思っていたのに。さてその仕事はなにかと言うと…
 今、オレはオレの全漫画が収録されているデーブィデー(編集部注: DVDのコトです)ってのを作っている。昔オレの担当だった小学館のバカ岡こと赤岡くんと、あの有名な武居記者といっしょにね。…といっても、オレはなにをする訳でもなく「フ ーン、みんな頑張れよ」って見ていただけだけどな。けれども、ここへ来てそのデーブィデーに出演しろっていわれてビックリ!
 出演ってなんだよ!漫画のデーブィデーじゃないの?というと、DVDビデオをオマケに付けるんだって。オレがオマケだって?面白いじゃない?!
 そこでオレは張り切ったね。先週の入院のおかげで体調は充分だし、久しぶりの撮影だもん。パパの扮装をしてくれって?お安いご用だよ!!
 ってんで、きょうは真知子と張り切って麹町スタジオへ。
 スタッフがずらり~っと7.8人はいたかな?もちろん赤岡くんと武居記者の顔も見える。かなり緊張した雰囲気の中、オレがスタスタ入っていくと、すかさずメイクさ んが「先生メイクお願いします」。「ハイよ!」と薄くドーランを塗ってもらう。ブルーバックで撮影してモニターをチェック、その場で合成画面を確認しながら撮影していく方式らしい。だけれども、オレにはその合成画面が見えないモンだからなにやってんのかサッパリわからないんだ。どうやら東京タワーをよじ登ったり、トイレに閉じ込められたり、あげくはトイレに流されたり…したらしいんだけど。ヤレ右を向け!だの、舌を出せ!だの、笑え!だの、今度は困った顔!だの、言われるままにやっている方はかなりバカっぽい。
 途中でスタジオの近くの文藝春秋の松井さんが遊びに来てくれた。彼はオレが昔 、文春の「ギャグゲリラ」をやっていた時の担当だ。
 最後にパパの扮装。パパの顔はプロのメイクさんでもちょっと難しい。漫画を描く要領でオレが仕上げる。まゆ頭をグイっと描くのがコツなんだけれど、コイツはオレしかできないな。
 パパになったら、さっそくウィスキーを飲むシーン。オッ!ラッキー。燃料が入ってさらにさらにエンジン快調になったよー。「一杯飲むか?」なんてセリフも決まったね。途中でライトがあんまり熱いので、鼻の下に描いたヒゲが汗で溶けてチャップリンのチョビヒゲみたいになっちゃった!
 結局、2時間15分をノンストップで一気に片付けた。
 あ~疲れた、と言ったら松井さんが文藝春秋社のリッパなロビーでコーヒーを奢ってくれた。きょうは早く帰ってゴロンとしたいな。こういうのをココチヨイツカレっていうんだな~。

「なにやってんの?」って聞かないでください。オレの方が聞きたいよ~。

これもおんなじ。言っておくけどオレ、やらされているんだからねっ。

合成するとこんな感じになるらしい。今、初めて見たよ~。

パパのアップ!ニコニコ…!!

パパはちょっとばかり疲れたよ~。しっかし、オレもよくやるよな~!こう見えても、もう今年で67だよ!!

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